本や活字のこと

結局まだなにもありませんが…。

はじめに1999.04.20 筆

本探しって、どうしていますか? 私の場合は店頭物色が基本行動パタンで、気に入る作家を発見したら絨毯爆撃に出ます。 文庫巻末の解説で引き合いに出されている本や作家を当たることもあります。 身近な人が勧めるものも、互いの好みの差を考えつつ試してみます。 両親と時代物で、連れ合いとはSF・一部の歴史物・宗教系の怪しげな部分などで趣味が重なりますので、これはたいへんありがたいのですが、身近なだけに最早この面での新規開拓は手詰まり気味です。

新聞や雑誌の書評はあまり役だったことがありません。私が読む本のほとんどが文庫だからかもしれません。 文庫の方が安いですし、多少汚れることがあっても気にしないなら食事中でも電車の中でも人待ちの時でも読めます。 文庫にまで収録されるくらいですから、駄作を掴む危険もいくらかは少ないような気がします。

ニフティの書籍系のフォーラムや、インターネットの本をテーマにしたサイトも、私には役だった覚えがありません。 ニフティの書籍系のフォーラムは少数の超アクティブ会員の好みに染まるものですし、ましてやホームページは開設者の意向がすべてです。 本の趣味というのも雑多なもので、そんな必死に探し回ったわけではないのですが、好みがそこそこ重なるところに出会えていないというわけです。 世間一般の中で私の好みがマイナーだとは思わないのですが、インターネットやパソコン通信の活動派中では絶滅危機種なのかもしれません。

それならば私は「本や活字のこと」と題して、ホームページでなにをする気なのでしょうか? 余所が気に入らないので自分でやろうということでしょうか。実は、必ずしもそういうわけではありません。

ずいぶん前のことですが、本とは関係のない、とあるニフティのフォーラムで、知らない人のプロフィールを参照しました。 プロフィールというのは、ニフティ内での簡単な自己紹介登録参照機能のようなもので、IDを指定するとその人が予め登録しておいた文章が出てくるわけです。

その時出てきたプロフィールには、その方の好きな作家が並べてありました。これを見て私は、好みが自分とかなり近いのでとても嬉しくなってしまいました。 滅多にしないことですが、面識がないどころかハンドル識!さえないその方に私はメールを差し上げたのです。 幸いなことに私の嬉しさを理解して頂けたらしく返信を頂き、その中で私にはまったく未知だったR・B・パーカーのことを教えて下さいました。

そうしてR・B・パーカーが私自身のプロフィールの好物の欄に加わりました。 R・B・パーカーは、私自身や身近な人の読書傾向の守備範囲から相当にかけ離れていましたので、そんなことがなければR・B・パーカーに私は一生出会えなかったことでしょう。

というわけで、私は、あくまで私自身の好みや感想をつらつらと書いていこうと思います。 私がR・B・パーカーを発見!したような出会いを誰か一人にでも提供することができたなら、それで大成功です。 私は穏健な性格とは言い難いので、時には好みでない作家の悪口くらい書くことになるでしょう。 しかし基本は、趣味に重なる部分の多い人に読んで貰うこと。そういう風に今のうちに自分自身に枷をはめておきたいと思います。 もちろん究極的には、読んで頂いた方の本探しに役立つことですが、あまり意気込まず、いいかげんに始めたいと思います。

作家にしろ著作にしろ分類整理できるような代物ではありません。そこで、いいかげんの第一歩!開き直ってそういう整理は一切しません。 でも、ある程度量が溜まってきたらハイパーリンクを活かしたインデックスを、なにか考え出すことにしましょう。

では、はじめにの最後に、現在の私のプロフィールに好物として挙げている作家を、自己紹介代わりに書いておきます。 私のプロフィールには音楽から嗜好品まで好物全般を並べているので、ページをめくりもせずに著作を買うのを躊躇わないほど好きな作家に絞って挙げています。 また、いわゆる作家ではない著述家も含んでいます。

山本夏彦、塩野七生、山本七平、曾野綾子、藤沢周平、宮城谷昌光、司馬遼太郎、陳舜臣、竹内久美子、向田邦子、白石一郎、佐藤亜紀、アーサー・ヘイリー、トム・クランシー、アイザック・アシモフ、ジェームズ・P・ホーガン、R・B・パーカー、G・M・ワインバーグ、キングズレイ・ウォード、リチャード・ファインマン

美しければすべてよし2002.10.30 筆

夏彦さんが亡くなってしまった。

一目で良いからお目にかかりたいと幾度焦がれたことか。 山本夏彦翁が主催する工作社が虎ノ門にあるのは読者なら知っていることで、押し掛けて行けば一目姿を仰ぎ見ることくらい出来たに違いないのだが、縁なくばそれをしないのが山本夏彦読者なのだと思う。 ただ、自分がそういう暴挙に出たことを夢想してじゃぁその時に夏彦翁になんと呼びかければ良いのか。 これも夏彦さんに教えて貰いたかったことなのである。

読者でない人に説明するならここの私の文体は夏彦翁の不出来なコピーで、たまたまそれを読んだ山本夏彦読者ならとっくにお見通しの筈である。

山本夏彦ほど読者を峻別する人も珍しいと思う。 繰り返し語られるテーマに読者なら深く感銘し、別の者はことごとく反感を覚える。 というようなことも夏彦翁の名文句に語り尽くされていて、読者にならなかった者はここでまた反発するのだ。

とはいえ自分を良き読者であったと信じたい私も夏彦さんの言葉すべてを是としたわけでないこと、告白せざるを得まい。 たとえば「何用あって月世界へ」には異論を差し挟みたくなるのだ。 私でなくともそういう読者は沢山いただろう。 そこで読者とそうならなかった者を分けたのはきっと、「美しければすべてよし」とするかどうかだったのではないか。 私にとって夏彦さんの言葉は同意しない部分までもが美しかったのである。

訃報に接してあちらでもこちらでも美文と名文句を称える記事を目にするが、夏彦さんの文体は麻薬のようなもので一旦魅入られたら止められない。 しかし、読者にならなかった人には美しいもへったくれもない迷文に思えた筈で、だから私は称えるなら美文や名文句より、語られるものごとの潔さを先にすべきだと思うのである。

それこそが山本夏彦の美しかったところなのだ。

その美しさに目覚め潔さに励まされ、肝心なことを本音で語り聞く人がどれだけ増えたことか。 読者でない人はちゃんと気づいていなかったかもしれないが、山本夏彦さんは戦後日本の最重要人物の一人だったのである。

好物のみ更新2003.8.17 筆

当サイトのタイトルが「にゃんこのつぶやき」だった頃からほとんど更新していませんが、ふと見返してみて、プロフィール代わりの好きな作家の羅列を変えたくなりました。

まず、トム・クランシーを外さねばならないでしょう。 名作「レッドオクトーバーを追え」から始まるシリーズは、ジャックライアンが大統領になるに至ってはやり過ぎもいいところですが、それは許しましょう。 しかし、本人が書いているとは到底思えぬ共著の安易なシリーズを量産するに至り、昨年頃からとうとう新作を買わなくなりました。 たとえ読む本に詰まっていても掴まなくなってしまったのです。 「レッドオクトーバーを追え」と、その後の何作かの記憶で付き合い続ける価値はもうありません。 ううん、私も相当つきあいのいい方だなぁ。

新作を見れば内容を確かめなくとも無条件に買う作家は、好物に挙げる以外にも沢山います。
たとえば、最近なら神保裕一とか宇江佐真理とか養老猛とか岸田秀とかジョン・グリシャムとか・・・。

それから著作の一部に限れば手放しで賞賛しても良いと思う作家。
たとえば、池波正太郎とか深田祐介とか船戸与一とかフレデリックフォーサイスとかジェフリーアーチャーとか・・・。

私が挙げたからなんだってものでないのは自明ですが、それでもなお挙げるものと挙げないものの境目がやっかいです。 たとえば、池波正太郎を挙げないのに白石一郎を挙げるのはなぜ!? 自分でも良くわかりません。

でもまぁ、いいじゃないですか♪
ってことで、現在の私の好物の羅列です。

山本夏彦、塩野七生、山本七平、曾野綾子、藤沢周平、乙川優三郎、宮城谷昌光、司馬遼太郎、陳舜臣、佐藤雅美、竹内久美子、向田邦子、白石一郎、佐藤亜紀、酒見賢一、アーサー・ヘイリー、アイザック・アシモフ、ジェームズ・P・ホーガン、R・B・パーカー

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